小学校を卒業した時に、記念品として障害者施設で製作されたトートバッグをいただきました。
うちの子はそれを見て
「なんで障害者施設から?
僕は障害者じゃないのに」と言いました。
私はついにこの時が来たかと思い、慎重にそして曖昧に相槌を打ちました。
うちの子は続けて
「車いすでもないし、耳も聞こえるし」
と言ったので、どうやらうちの子が考える「障害者」というのは、見てわかる身体障害者の事を言っているようでした。
だからといって
「障害者にも色々ある」
と言うのも何か違うし…
「あなたも障害者といえば障害者かも?」
なんて言えないし…
色々考えてその場は結局
「そうだね〜」「なんでかね〜」
と言うのがやっとでした。
これは次の機会にはちゃんと説明しないと、手帳申請の時も困るぞと感じ(まだ未申請でした)月イチで通っている発達クリニックの先生に聞いてみました。
「ボクは障害者じゃないよね?」
と言われたらどう答えればいいですか?と。
「そもそもうちの子は手帳ももらえないし障害者と言っていいのかわからない。かと言って障害者じゃないよと断言するのも違う気がする」と。
答えはなんと、
「次までに考えさせてください」
でした。
それほど難題だったのでしょう。
その次の診察の時にクリニックの先生は
「慎重に話す必要がある。
一度言った事は取り消せない。」
とおっしゃいました。
んー、まあ、大体わかってましたけど。
お友達にも聞きました。
「いつの間にかなんとなくわかってたみたい」
「機会を作ってしっかり説明した」
など、やはりその子によって千差万別。
ほとんどの子がもう手帳を持っていたというのもあり、解決には至らず。
とりあえず、障害者手帳を申請する時に何かしらの説明は要る。
うちの子にはどう説明しよう…
悩みながら日々は過ぎました。
そんな時、テレビで「ケーキの切れない非行少年たち」というドキュメンタリードラマを見ました。
主役の子は普通の高校生ですがIQが76で、なんとうちの子と同じ!
みんなと同じように過ごしているけど何となく違和感がある女の子が、妊娠して誰にも言えず出産して放置し少年院に入るという話です。
障害者とは言えないけれど、何かしらの支援は必要なこの子の事をドラマでは「境界知能」と呼んでいました。
お母さんは本人に境界知能の事を伝えてはいませんでしたが、いよいよ言う事になります。
さて、どう伝えるか?
ずばり「境界知能」と伝えていましたね。
実際この番組では境界知能についてかなりわかりやすく解説してくれていました。
これを一緒に見ながら「あなたもコレよ」と言うのがわかりやすいかも?と思いましたが、女子高生の妊娠出産がなかなかインパクト強すぎて、ちょっと言いたい事がちゃんと伝わるか不安になり、保留。
でも「境界知能」という言葉は使えそう。
私がテレビで見たグラフを再現して説明できればいいのだけど…
いまだに暗中模索しています。
ところで、
先日手帳が出来上がったとの事で、受け取りに行きました。
分厚い冊子をいただきましたが、表紙にはデカデカと
「障害者のしおり」
と書いてありました。
本人には見せられない。
勘弁してよ〜
https://www.nhk.jp/g/blog/9qrdy8a3rd38/
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